FXのためのダウ理論実践編(4) 単純移動平均線で方向感とエントリータイミングを見る

以前の記事

FXのためのダウ理論実践編(1) どのサイズの波を見るか

で、20期間単純移動平均線(MA20)を使った。

今回は、単純移動平均線についてもう少し詳しく解説していく。以下、単純移動平均線を単に移動平均線と呼ぶ。

ダウ理論を補強する移動平均線

そもそも、移動平均線とは、終値の平均値をつないだ線だ。MA20であれば、現在の足を含む直近20本分の足の終値の平均値を順次つないで形成される。

上昇トレンドが発生しているとき、終値の平均値は上がっていくので、移動平均線もトレンドの方向を向いて上がってくる。このとき、レートが移動平均線付近まで戻って来ると、押し目買いが入りやすい。平均値は上がり続けているわけだから、ほぼ平均値で買っておけば、将来的には高く売れることが十分期待されるからだ。

こうして買い注文が入ってくることで、レートは移動平均線付近で反発し、再度上昇していく可能性が高くなる。したがって、長期(日足)で移動平均線が上昇中に、レートが移動平均線付近まで下げてきたら、中期(4時間足)・短期(1時間足)の値動きを見て、買いのタイミングを探していくことになる。

下降トレンドの場合は、上下逆に考えればいい。

トレンドレスから方向感が生まれるところを捉える

しかし、移動平均線が本当に役に立つのは、トレンドが発生しているときではない。もちろん、トレンド中も押し目・戻り目を見つけやすくしてくれるが、最悪なくてもトレードはできる。方向も、それがある程度継続することも確定しているのだから。

↓ピンと来なければ再確認。

FXのためのダウ理論(6) トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する

ではいつ役立つかと言うと、トレンドが確定する前に方向感が出てきたときだ。

次のチャートを見てほしい。通貨ペアはドル円で、時間足は日足だ。

移動平均線(日足)

黄色の丸の付近で売りを考えたいが、移動平均線を見ていなければ難しい(フィボナッチ比率で判断するという手などもあるが)。なぜなら、下向きに方向感は出ているものの、直近安値(の二重線)を割ってない以上は下降トレンドではないからだ(したがって、下げが継続しないと考えての利益確定や逆張りの買いが入ってきやすい)。下降トレンドが確定するのは、直近安値を割るのバツ印の時点なのだ。

とは言え、この直近安値割れを待っていたのでは、大きく利益を取り逃がしてしまう。これだけはっきり下向きに方向感が出ているのであれば、直近安値を割って下降トレンドにつながりやすい。

もし安値を割らずに終わるとしても、一旦は試しにいくだろうから、その下落を取りにいける。デイトレードとしては十分な値幅だ。そのように考えて、移動平均線に対する戻り売りを狙っていく。

さらにこの部分の4時間足を見てみよう。

移動平均線(4時間足)

上昇トレンドの印をつけたところが、日足での二重線をつけた安値からの戻しの部分だ。の点線をつけた高値が、はっきりと高値切り下げと認識される形であれば話は簡単だった。その場合、日足の移動平均線に対する戻り売りの優位性を考慮すると、4時間足レベルの下降トレンド確定を待たなくていい。むしろ待っていては遅い。高値が切り下げつつある部分で、切り下げがほぼ確定したと判断し、1時間足を見て売っていくことができる。

ところが、かろうじて認識できるかどうかというレベルの切り下げを見せてきた。このまま売っていくのはリスクが高い。もう一つ根拠の積み上げがほしいところだ。そこで、1時間足をよく見てみよう。4時間足のの縦線で囲まれた範囲に相当する。

移動平均線(1時間足)

出たー。リターンムーブ。もう一つ根拠が足りないというとき、予定調和のようにそれは訪れる。嘘だと思うなら、過去のチャートで検証してみるといい。面白いほど、本当にそうなっていることが多い。

これで、黄色の丸をつけた付近で売っていける。15分足を見て、より有利なタイミングをつかむといいが、それはまた別の記事で書くことにする。二つ目の黄色の丸でエントリーしても構わない。よく見ると、15分足レベルのリターンムーブが起きており、1時間足でも認識できる。

ただし、あくまでも日足レベルの下降トレンド中でないことには注意が必要だ。油断していると急に大きく逆行して、含み益が泡と消えることもある(あるいは、まさかの損切り)。したがって、ある程度伸びるまではチャートの前で待機し、トレーリングしつつ、勢いがなくなってきたらポジションを半分決済するなどの工夫が必要だ。トレーリングのやり方も、いずれ機会があれば書いていこうと思う。

トレンドの終焉を読む

最後に、移動平均線の見方をもう一つ説明しておく。日足チャートでオレンジの四角で囲った部分を見てほしい。実践編(1)でも書いたが、ここはまだ下降トレンド継続中だ。だが、移動平均線は水平気味になり、レートがそれを上回ってきている。こうなってくると、もうトレンドの終了が近いと判断できる(売るのが難しくなってきている)。

それでも、安易に買っていくことはできない。横ばいに推移して、週足レベルの戻り売りにつながる可能性があるからだ。買っていくならば、日足の移動平均線が上向き、それに対してレートが押し目を作ってくるまで待つのが確実だ。